
ハノンと併用すると効果的な練習曲を紹介するよ!

私のおすすめは、ピシュナの練習曲です。
ハノンに足りないところを補ってくれますよ!
ピシュナ 「48の基礎練習曲集」「60の練習曲」
ピシュナ練習曲 導入前の前提
中級の時期にハノンをやっておくことは大切だと思います。全部ではなくとも、39番の音階(スケール)と41番~43番のアルペジオ、53番のオクターブ練習は、時間がかかってもやり遂げてほしいです!
スケール・アルペジオは九九のようなもの。九九を知らずに数学を学ぶのは無謀なように、スケールが弾けずに大曲は弾けません。
レベルアップしたい中級者の方は、今のうちにハノンでスケール練習をしっかりしておきましょう!
ハノンと併用できる「ピシュナ 48の基礎練習曲集」
ハノンは大切な練習曲ですが、万能ではありません。
ハノンの不足点として、
などが挙げられます。
実際の曲では、両手が違う動きをすることが当たり前。まして、バッハなどポリフォニー作品を弾くためには、複数の旋律の進行を聴き取る「耳」を作らなくてはなりません。
ユニゾンの練習曲は、左右の手を均等にすることには役立ちますが、ポリフォニーの訓練にはなりません。
また、ほとんどの曲がハ長調で書かれているのは、学習者に移調して練習させる意図があったのだと思います。しかし、中級者で移調が即座にできる人は少ないのではないでしょうか。
調による苦手意識は、おおかた先入観によるものです。(黒鍵が多いと難しいとか)
早くから、簡単なパッセージをすべての調で練習する癖をつけたほうが良いと思います。
「ピシュナ 48の基礎練習曲集」では、1曲で短いパッセージをすべての調に移調して練習するように構成されています。また、右手は音階、左手はアルペジオ(あるいはその逆)など両手に異なる役割を与えているため、指の発達だけでなくポリフォニーを聴き取る「耳」を育てることができるでしょう。
ハノンと併用して「ピシュナ 48の基礎練習曲集」を使っていくことをおすすめします。

48の基礎練習曲集は「リトル・ピシュナ」とも呼ばれているよ!

「大ピシュナ」とよばれる「60の練習曲」も紹介しますね。
こちらは上級者向けになります。
より高度な「ピシュナ 60の練習曲(指の訓練のための練習課題)」
ピシュナには、より高度な練習曲集「ピシュナ 60の練習曲(指の訓練のための練習課題)」があります。
こちらは、やはりハノンに不足している「指の独立」を集中的に訓練できるほか、指間の拡張にも役立ちます。重音練習が多く、力づくでは弾きこなせないものばかり。
各指の独立をある程度完成させてから取り組まないと苦戦します。無理をすると指の故障にもつながりますので、「ハノン」、「ピシュナ 48の基礎練習曲集」を終えてから導入するほうが良いでしょう。
ショパンのエチュードの予備練習として使うと効果的です。
音楽之友社版は、なるべく移調を自分で考えて行うよう、詳しく楽譜に書かれていません。楽譜を見ない分、姿勢や音色に注意が向けられるのが長所です。音大生・専門家向け。
移調に慣れていない方は、全音出版のほうが使いやすいでしょう。こちらは、移調したものもすべて五線譜に書かれています。詳しい解説付き。
まとめ
ピアノ中級者におすすめの練習曲集として、ハノンとピシュナを紹介しました。
ハノンはピアノ学習者にとって必携の書とも言われますが、万能ではありません。ポリフォニー、全調練習、指の独立性の完成においては弱いところがあるので、補完できる教材としてピシュナの2冊を挙げました。
「リトルピシュナ 48の基礎練習曲集」はハノンと併用して、「60の練習曲」はハノンを一巡してからの使用が効果的です。
練習の目的を理解した上で、短時間で集中して行うのが継続の秘訣!上達をめざしてがんばっていきましょう!